高市早苗氏が、自民党総裁になり「ワークライフバランス(WLB)という言葉を捨てます」、馬車馬のように働くという決意発言されました。
それに対して、批判が相次ぐとニュースで報道されているかもしれませんが、そもそもワークライフバランスは「何の決定権もない従業員が、無理やり働かされることを防止」する一環が含まれていることです。
政治家・経営者・フリーランス・個人事業主は、「ワークライフバランスを行うこと=収益や成果が下がっても良い⇒それもバランスである」という決定が出来るということです。
高市早苗氏は、このワークライフバランス(WLB)を捨てると発言されました。
つまり、「ワークライフバランスを捨てて成果を求める」ということです。
政治家全員は自らで決めることが出来るのです。
だから、ワークライフバランスを重視することは成果が下がってもいい(公約は果たせない可能性がある)ということを公言しているということに繋がります。
自民党全員が馬車馬のように働いてもらう!
国会議員の政治家の平均年収は約4,000万円です。
日本の平均年収は約460万円。
その差、約9倍です!!
単純計算ですが、収入を時間に割当てみましょう。
ワークライフバランスを重視して、1日8時間・週5日・残業無しで週40時間勤務=460万円。
国会議員は、週40時間×9倍=週360時間勤務。
1週間は、168時間しかありません。しかし、国会議員が貰っている収入(税金からの収入)から換算すると、週360時間は働かないといけないという計算になります。
馬車馬どころか、もっと働く必要があるかもしれません。
皆様は、どう思われますでしょうか??
では、一般的なワークライフバランス(WLB)を見ていきましょう。
「ワークライフバランス(仕事と生活の調和)」とは、単なる“残業削減”ではなく、働く人がやりがい・充実感を持って働きつつ、家庭・地域・自己啓発など人生の各段階に応じた多様な生き方を選択・実現できる状態を指します。内閣府が示す憲章では、(1)就労による経済的自立、(2)健康で豊かな生活のための時間確保、(3)多様な働き方・生き方の選択の3視点が具体像として掲げられています。
ワークライフバランスの「本来の意味」
日本政府は2007年に官民で「仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)憲章」と「行動指針」を策定し、2010年に改定しました。目的は、国民が意欲を持って働きながら豊かさを実感できる社会の実現と、社会経済の長期的安定です。この枠組みを基に、長時間労働の抑制や年休取得促進、家庭と仕事の両立支援などの施策が推進されています。
さらに厚生労働省は「テレワークの普及促進」「労働時間等の設定改善法」「働き方・休み方改善コンサルタント」など、現場で活用できる具体的な支援策を用意しています。
日本における政策・制度の要点
1) 残業(時間外労働)の上限規制
- 原則:月45時間・年360時間。臨時的な特別の事情があっても年720時間、単月100時間未満(休日含む)、2~6か月平均80時間以内(休日含む)で、罰則規定あり。大企業は2019年、中小企業は2020年から施行。
2) 育児・介護休業法(2022~2023年改正のポイント)
- 環境整備の義務化(研修・相談体制・取得事例の提供・方針周知のいずれか)
- 妊娠・出産の申出者への個別周知・意向確認の義務化
- 有期雇用者の取得要件を緩和
- 出生時育児休業(産後パパ育休)の新設/育児休業の分割取得
- 従業員1,000人超の企業で育休取得状況の公表義務(2023年~)
(段階的施行の概要)
3) テレワーク推進・労務管理のガイドライン
- ICT活用による柔軟な働き方を促進しつつ、適切な労務管理の留意点をガイドラインで提示。
4) 国際比較(働く時間の傾向)
- OECDの“年間平均実労働時間”では、日本は2023年に1,611時間。長期的には減少傾向だが、国・産業間比較には計算方法の違いに留意が必要。
海外の事例:制度・文化の違いから学ぶ
事例①:フランスの「つながらない権利(Right to Disconnect)」
- 2016年の労働法改正により、従業員50人以上の企業は電子コミュニケーションの利用条件を労使で交渉し、非労働時間・休暇・私生活の尊重を担保する仕組みの策定が義務化。合意できない場合も、企業は“憲章”を定める必要があります。2017年1月に施行。
- パンデミック以降のリモートワーク拡大を経て、フランスでは法典・判例・労使協定が併存しながら運用されており、日単位の労働時間管理ではなく“年間日数(forfait jours)”で働く層への適用・運用がとくに論点となっています。
事例②:OECD各国の“働き方”を数字で見る
- 年間平均実労働時間の国際比較を見ると、各国の労働市場構造・制度・余暇文化の違いが反映されます。例えばメキシコは2,207時間(2023)と長く、一方で欧州主要国は総じて短め。日本は1,611時間(2023)で、長時間労働是正の政策効果も背景にあります(データはOECD)。
ポイント:海外事例は「法制度そのもの」だけでなく、交渉文化・労使関係・社会の価値観とセットで理解することが重要です。フランスの“つながらない権利”は、制度+企業内ルール作り+教育の総合パッケージで効果を発揮します。
企業が成果につなげる実践ステップ
以下は中小企業・個人事業でもすぐ始められる、ワークライフバランスの**“本来の意味”に沿った設計の流れ**です。
ステップ1:目的の明確化(働く人・会社双方のメリットを言語化)
- 健康・安全(過労防止、有休取得率アップ)
- 生産性(集中時間の確保、ムダ削減)
- 定着・採用(家族・地域との時間を尊重する企業姿勢の可視化)
(※政府の方針も「健康確保」「両立支援」「生産性向上」を同時に狙っています)
ステップ2:時間設計とルール化
- 36協定・上限規制を遵守した月次・複数月の労働時間管理(特別条項の運用も厳格化)
- 勤務間インターバルや連続休暇の導入(モデル就業規則・ガイドの参照)
- テレワークガイドラインに沿った労務管理(勤怠・安全衛生・情報セキュリティ)
ステップ3:育児・介護と仕事の両立支援
- 制度の周知・相談導線の整備(面談・書面・社内ネットで)
- 出生時育児休業(産後パパ育休)などの活用促進と人員計画の平時組み込み
- 取得状況の見える化(該当企業は公表義務への対応)
ステップ4:デジタルツールの「境界線」を決める
- メールやチャットの返信期待時間、夜間・休日の通知設定、緊急定義を部署単位で合意形成
- “つながらない時間帯”の社内ルール(チャーター)を策定(フランス事例を参考)
ステップ5:指標と改善サイクル
- 健康指標:残業時間、勤務間インターバル、休暇取得率
- 業務指標:案件サイクルタイム、再作業率、提案件数
- 人事指標:離職率、エンゲージメント、採用応募率
- 半期ごとの振り返りで**“時間を有効に使う仕組み”**へ継続改善
まとめ:個人・企業・社会で進めるワークライフバランス
- 本来の意味は、“残業が少ない”だけではなく、経済的自立・健康・多様な選択の実現。
- 日本の制度は、上限規制・育児介護両立支援・テレワーク推進など、実務に使える枠組みが整備済み。
- 海外事例(フランスの“つながらない権利”)は、デジタル時代の境界線設計に示唆。
- 成功の鍵は、現場で機能するルール化と継続改善、そして文化づくり(上司の行動・小さな成功の共有)。
高市早苗氏は、従業員ではありません。
成果を出すために、日本を良くするために、日本の国民のために、高市早苗氏自身がワークライフバランスを捨てることは誰も批判することなど出来ないのです。
