来年2026年入社予定の就活性は「安定した仕事」「安定した収入」「安定した生活」を強く望む傾向に変化しています。人手不足の買い手市場ですので、安定して働くことを求める人が多くなったのは当然ですが、それよりも2000年代の社会構造の変化がもたらしたものが、20年以上の時を経て安定志向の若者になったのではと分析しています。
しかし、歴史を振り返ると「安定を求めすぎた結果、逆に不安定になった世代」も存在します。 この記事では、安定志向の背景と、それがもたらす可能性のある弊害について、解説します。
高度経済成長期:安定が約束された時代
1950年代後半から1970年代前半にかけて、日本は高度経済成長期を迎えました。 この時代は、企業に入れば一生安泰という「終身雇用」「年功序列」が当たり前でした。
この時代の特徴
- 大企業に入れば定年まで働ける
- 転職は少なく、会社に忠誠を尽くす文化
- 安定=正義という社会的価値観
バブル崩壊と就職氷河期:安定志向が裏切られた世代
1991年のバブル崩壊後、日本経済は長期低迷期に突入します。 その結果、1997年〜2004年頃に社会に出た「就職氷河期世代」は、安定を求めていたにもかかわらず、正社員になれないという現実に直面しました。
この世代の課題
- 非正規雇用が増加
- キャリア形成が困難
- 結婚・出産・マイホーム購入などが遅れる、または諦めざるを得ない
現代の若者:安定志向の再来とそのリスク
2025年に入り、再び若者の間で安定志向が強まっています。 公務員志望や大企業志向が増え、副業や起業には興味があっても実行に移す人は少数です。
なぜ安定を求めるのか?
- SNSや情報過多による不安感
- コロナ禍による経済不安
- 親世代を見て「安定が一番」という価値観
特に親世代を見ての安定志向という価値観は、就職氷河期の正社員になれない・非正規雇用の生活苦で、離婚が極端に増えた時代を子どもの頃に体験している世代でもあります。
1990年代離婚数:約10万組
2000年代離婚数:約19万組(前年代より約190%増)
今年の就活性:大卒は2003年・2004年産まれ
潜在的なリスク
- 変化の激しい時代に対応できない
- 挑戦する人材が減り、社会全体の活力が低下
- 安定が得られないときの精神的ダメージが大きい
本当の安定とは?「変化に対応できる力」が鍵
安定を求めること自体は悪いことではありません。 しかし、現代のように変化が激しい時代では、「変化しないこと」よりも「変化に対応できる力」が重要です。
これからの働き方のヒント
- 自己のスキルアップを継続する
- 副業や複業で収入源を分散する
- 安定した企業は無いと思って、自分の価値を企業に依存せず、自分で築く
まとめ:安定志向は悪ではない、でも「柔軟さ」が必要
2026年の就活性が安定を求めるのは、2000年代の社会構造の変化によることもあり、自然なことであると考えます。 しかし、歴史を振り返ると、安定だけを追い求めた結果は、次の不安定になる世代を生みだします。
これからの時代に必要なのは、「安定を求めつつ、日本以外でも生きていける変化に対応できる柔軟さ」。 それが、真の意味での「安定した人生」につながるのではないでしょうか。
