「やりたくないけど、やらなきゃいけないこと」って、誰にでもありますよね。
宿題、仕事、家事、介護、健康管理、家計の見直し――日常には義務が静かに、でも確実に存在します。
「なんとかしなければならない」と心の中でつぶやくとき、胸の奥がじんわり重くなり、つい先延ばししたくなるのも、そこから逃げ出そうとするのも自然な反応です。
それでも私たちは、不器用でも一歩を踏み出さなければなりません。なぜなら、しなければならないことをやらないことで、さらに大きな地獄となって口を開いて待っていることを、どこか(もしくは、ウシジマ君)で知っているから。
本日は、3つの世代のストーリー(Kくん・Mさん・I氏)を通して、義務を遂行する力と、そのためのやさしいストレス対処やモチベーション維持のコツを、一緒に見つけていきましょう。
ストーリー① 高校生・Kの夜:勉強という「長い坂」をのぼる
夜10時、机に向かうK。明日は模試。机の角には付箋、ウォーターボトル、そしてスマホ。友だちからの通知が光るたび、意識が持っていかれます。
「なんでこんなに勉強しなきゃいけないんだろう…」と、心の中で小さくつぶやくK。ページをめくる手が止まり、天井を見上げる。ため息がひとつ。
そこでKは、メモにこう書きました。
「今日は英語長文を1本、数学の関数を3問。30分タイマーで区切る。」
いきなり全部やろうとしない。タイムボックスで時間を小さく切り、チェックリストで進捗を見える化する。終わったら小さなごほうびに、好きな曲を1曲だけ聴く。
「やらされている」から、「自分でコントロールしている」へ。
Kの世界が少しだけ変わりましたが、それは大きな変化への始まりでした。
ストーリー② 30代・Mの葛藤:仕事と家庭、二つの責任を抱えて
Mは子どもを寝かしつけ、静かなリビングでパソコンを開きました。時計は23時。明日は重要なプレゼン。資料は8割完成。でも、仕上げが難しい。
「もう疲れた…でも、やらなきゃ。」
コーヒーの湯気を見つめながら、Mはタスクを3つに分け直します。
「①結論スライドの明確化、②事例の図解、③時間配分の確認」
ひとつ終えるたびに、肩の力が少し抜けていく。
同時にMは、サポートを求める勇気も持ちました。朝一で同僚に「5分だけレビューお願いできる?」と声をかけるメモを残し、家族には朝の送りを旦那に相談。ワークライフバランスは、完璧さでなく分かち合いから始まるのだと、Mは気づきます。
自分がしなければならない。けれど、人に助けを求める勇気も必要。
もし、誰も助けてくれなければ、諦めて全部自分でやるしかない・・・わけではない。
何が大事なのかを考えて行動して、やらないことはやらないと、Mは決意を固めました。
ストーリー③ 50代・Iの現実:介護と仕事の板挟み
Iは、親の介護と仕事の両立の中にいます。通院、食事、服薬の管理。昼は会議、夜は書類整理。自分の時間は、指の隙間からこぼれ落ちる水のよう。
「逃げたいけど、逃げられない。」
そんな日々でも、Iは気づきました。自分ひとりで全部背負わないことが、結果的に家族のためになる、と。
地域のサポート窓口に相談し、デイサービスの利用を検討。カレンダーに色分けをして、介護・仕事・休息の時間を見える化。
そして夜、5分だけ深呼吸しながらストレッチをする習慣をつくりました。わずかな回復が、翌日の一歩を支えてくれるのです。
まずは自分の体調・健康を整えることが出来なければ、仕事もできない。ましてや、自分が倒れてしまえば、介護なんて不可能。
自分のことをまずは第一に。その後に手伝ってもらえるところはお願いして、介護をする。
出来る限りやってあげたい。けれど、まずは自分の心身をケアしなければ、長い介護生活を送ることなんて出来ない。そう心に決めて、明日からは、まずは自分が元気になれるように頑張ろうと思いました。
義務を遂行する意味:生きているから仕方がない!!
なぜ、私たちは「やらなければならない」ことをやるのでしょう。
それは、生きているから仕方がないことなのです。
Kにとっては進学への道、Mにとってはキャリアの信用、Iにとっては家族の安心。
義務は、私たちの自由を奪うものではなく、生きることを守るための土台でもあります。
やさしい実践:耐え難きを耐え、忍び難きを忍ぶための5つのコツ(ミニガイド)
1) 小さなゴールに分解する(タイムボックス+チェックリスト)
- 25~30分の集中+5分の休憩を1セットに。
- 「今日はここまで」を具体化(例:英語長文1本/スライド3枚)。
- 終わったら小さなごほうび(好きなお茶、窓辺で深呼吸)。
2) 義務に意味を見出す(リフレーミング)
- 「やらされている」→「生きているから仕方がないという諦めの境地」。
- 簡単なWhyメモ:「これは何のため?」「終わったらまだ生きることができる?」
- 一言で目的タグを付ける:#諦めて頑張る #安心のため #家族の笑顔
3) サポートを求める勇気(頼み方テンプレ)
- 「15分だけ相談させてください。未来を左右するとても重要なことです」
- 「期限までにこの部分のレビューをお願いできますか?」
- 役割分担を明確に(家族/同僚/友人に具体的な依頼)。
4) 仕組み化で迷いを減らす(ハードルを下げる)
- 前日夜に明日の最初の一歩だけ準備(参考書を開いておく、資料テンプレを作る)。
- 作業のトリガーを決める(朝のコーヒー=開始サイン)。
- 取りかかり5分のゼロ秒行動:「とりあえず開く」「1行だけ書く」。
5) 回復のセットメニュー(短く、軽く、気持ちよく)
- 深呼吸×1分、首肩ストレッチ×2分、白湯。
- 寝る前のスクリーンオフで睡眠の質を守る。
- 「今日はなんとか生き延びることが出来た」と自己肯定のチェック。
つまずきと対処法
先延ばし:やる気が出ないとき
- 摩擦を減らす:机の上から余計なものを避難。1タスクの入り口だけ用意。
- 2分だけルール:2分やって嫌ならやめていい。多くはそのまま続けられる。
- スタート儀式:好きな曲の1コーラスでまずは気分を高揚させるように持っていく。
完璧主義:100点じゃないと動けない
- 70%ルールでまず出す。後から直せるのがデジタルの強み。
- 「最初のドラフトは荒くてOK」と紙に書く。目に見える言葉が心を支えます。
- 誰しも世の中に完璧など存在しないと、常に呟き続ける
感情の波:焦りや不安が強いとき
- 書き出す(不安の見える化):不安→対策を1行ずつ。
- 体を動かす:5分の散歩、階段をのぼる。体が変わると、感情も少し変わる。
- 誰かに話す:共感は、回復の近道です。

義務を果たした先にある「人生」
Kは合格通知を受け取り、ゆっくり深呼吸しました。「あの夜の30分が、オレを変えてくれたんだ。」
Mはプレゼンを終え、同僚と笑い合いました。「助けてもらってよかった。次は私が助ける番だからね。」
Iは、母の穏やかな笑顔を見て、静かに頷きました。「無理をしない形で続ける。それが、家族のためでもある。」
義務は敵ではありません。自分の器を鍛え、今日も生き延びたという自己肯定感を育てるパートナーです。
今日の小さな一歩は、明日のあなたを必ず助けます。
「なんとかしなければならない」を、「生き延びてやるぜ!」に変えていきましょう。
まとめ:あなたのペースで、前へ
- 小さく始める(時間も内容もミニマムに)
- 意味を添える(未来の自分に手紙を書くように)
- 頼れる先を増やす(人・仕組み・道具)
- 回復を計画に入れる(休むのも仕事のうち!!)
大丈夫!!あなたも私も、ちゃんと今日を生き延びています!
